イジンデン コラム 第35廻

赤デッキでの環境対策を考える

イジンデンプレイヤーの皆さんこんにちは。
初期赤カードコンセプトデザイナーのカナイセイジです。

前回は3弾環境で追加されたカードや、最近の強力なデッキについて紹介しましたが、今回はその続きとして、赤いカードを使用するデッキでそれらにどう対抗していくのかを考えていきたいと思います。

①手札破壊

紫カードの追加に際して、改めて注目が集まっているのがいわゆる「手札破壊」です。相手の手札を減らすことにより選択肢を狭め、こちらの行動に対応できない状態を作り出し、戦いを優位に進めることができます。

・《芹沢鴨》
前回のコラムでも紹介した、《マシュー・カルブレイス・ペリー》とのコンボが強力な手札破壊イジンです。そのままブロッカーもでき、《源義経》や《栄西》のようなパワーの小さいイジンには脅威となります。

・《森閑たる離宮》
前回の紹介には入れていませんでしたが、現在の手札破壊の中心を担う強力なハイケイです。冥府発動をもたないカードを戦場から墓地に送ることで、そのプレイヤーの手札を捨てさせることができます。
自分にも同様の効果が課されるというマイナス点もありますが、直接的なカード破壊を得意とする赤的には優位を確保しやすく、最近のデッキに多く採用されているようです。

・《マリ・キュリー》
究極ともいえる手札破壊カードです。自分の手札がなければ、つまりこのカードを手札1枚の状態から場に出せば、相手の手札もなくなります。《土方歳三》の大量ドローを相手に与え、それをこのカードで処分してしまうような、山札破壊につなげる形もあるようです。

・《メアリー1世》
青を使用するデッキ、特に徴募デッキで多数採用されている、手札を確認して捨て札にする強力な効果をもつイジンです。青イジンであることで、《曹操》の効果で破壊してドローもできるという完璧なシナジーをもちます。

手札破壊への対策(赤)
《ロイヤリティ》は冥府発動をもち、また条件の1つであるガーディアン減少が破壊ではなく山札へ戻すことであるため、《森閑たる離宮》のペナルティを受けません。今の環境においてはかなり使いやすいドローカードの1つでしょう。
様々な形の強力なコンボをもち、こちらの選択肢が絞られ続ける手札破壊を対策するのは容易ではありませんが、多くの場合にその中心を担うのが《森閑たる離宮》というハイケイです。《平賀源内》や《クレオパトラ》で破壊し、コンボを崩していきましょう。

②《円形闘技場》

青単デッキや徴募デッキの最後の一押しとして出てくるのが円形闘技場です。ガーディアンがそのまま攻撃イジンとなる強力なハイケイで、対応策の乏しいデッキタイプではこれだけで勝負がつきます。1弾の登場当時から第一線で活躍し続け、同じコスト5である《チンギス・ハン》などとともに猛威をふるい続けています。

先攻2ターン目(《恐れの種》+《オブシディアン》)のようなタイミングで決まるとさすがに苦しいですが、全くつけ入る隙がないわけではありません。どのような対策が考えられるでしょうか。

・先にガーディアンを削る
最も分かりやすい対策はこれでしょう。《栄西》によるダブルプレッシャー付与や、即応をもつ《源義経》などで可能な限り先に削る。ガーディアンが2体以下になっていれば、さすがの《円形闘技場》もその能力を最大限に発揮できません。

・攻撃キャンセル
ガーディアン破壊時に冥府発動し、攻撃しているイジン(《円形闘技場》の効果を受けたガーディアンはイジン扱い)に影響を与えるカードをデッキに採用しておくことは重要です(次項でも詳しく見ていきます)。赤なら《バレット》、青なら《ストーム》や《テンペスト》、緑なら《エイジング》、黄なら《メロウ》や《カタストロフ》、紫なら《タイムディレイション》というところでしょうか。

・バトルさせない
《ハリエット・ビーチャー・ストウ》が出ていれば、《円形闘技場》が配置された時に執筆能力を起動し、バトルを回避することで時間を稼ぐことができます。

・ハイケイ効果を発動させない
《新井白石》が出ていれば、同様に《円形闘技場》が寝た状態で配置されるため、《新井白石》の効果でハイケイ効果をすぐに発揮できません。その間に、破壊するなどの対策をとる時間が得られます。

・スタンド
攻撃キャンセルと近い効果ですが、3弾で実装された「スタンド」のカードを活用してブロッカーを増やす手もあります。
黄であれば《徳川吉宗》をスタンド効果で戦場に置くことで《円形闘技場》を破壊し、そもそもの攻撃を不発にすることができます。
赤の《ウィリアム・セシル》はそこまでの対策はできませんが、ブロックしつつカードを引き、反撃のためのリソースを手に入れることができるでしょう。
ただし、スタンドは魔力ゾーンからの配置となるため、次のマリョクの量が減っていることには注意が必要です。また、種などによる裏向きマリョク配置は運頼りなので、ちゃんと使うにはマリョク配置権を駆使して手札から置かなければなりません。

③攻撃キャンセル

青の《ストーム》や黄の《メロウ》に代表される、冥府発動型マホウです。
これらがガーディアン破壊時に発動すると、ブロックしきれなかったはずの攻撃が無効化され、計算が狂います。
特に赤は通常1ターンしか攻撃できない《織田信長》などの総攻撃に頼りがちですので、それを生き延びられると後が続かず返しで負けてしまいます。これらにはどう対処するべきでしょうか。

これには大きく分けて2つの方法があります。1つ目は「そもそもガーディアンに触らず、山札を破壊して勝つ」、2つ目は「ガーディアンを機能不全にした状態で勝つ」です。

・山札破壊
戦闘はせず、相手の山札を効率的に削っていき、相手が山札からカードを引けないことによる勝利を狙うパターンです。
3弾では《コーザリティ》《スピリットアウェイ》のような、山札切れを後押しするカードが複数追加されています。また、《土方歳三》のような大量ドロー効果によっても、相手の山札の枚数を減らすことができます。
山札が40枚から、手札6枚、ガーディアン4枚でゲームを開始するのであれば、残りは30枚。《タイムディレイション》などで時間を稼ぎながら、前述のカードを活用、再利用することで、ガーディアンに触らずに勝つことが可能になります。

・ワンショット
《マリー・アントワネット》や《エイブラハム・リンカン》の効果を使用してガーディアンでブロックが出来ない状態にしたうえで、《チャンピオン》を使用したイジンで攻撃して勝利をもぎとるのがいわゆる「ワンショット」と呼ばれるデッキです。
《チャンピオン》はそもそも赤のマホウですし、《マリー・アントワネット》を破壊するのに《バレット》を使用するケースもあり、複数色になるとはいえ赤とは切っても切れないデッキタイプといえるでしょう。

④《サンダーボルト》という切り札

各色に強力なカードが与えられる中、赤に与えられた強力な切り札がマホウ《サンダーボルト》です。コスト6、マリョクコスト3と、けして簡単に撃てるマホウではありませんが、その効果は絶大です。相手の戦場のパワー4000以下のイジンとすべてのハイケイを破壊し、さらにそれらの遺業能力を封じることができます。

③の攻撃キャンセルなどを止める力こそありませんが、現在の主要なデッキのイジンにはパワー4000以下のいわゆるシステムイジンが多いですし、ハイケイを並べるような相手にも強烈な効果を発揮します。《円形闘技場》の攻撃をしのげれば、相手の《円形闘技場》ごとガーディアンを破壊し、一気に決着をつけるようなこともできるでしょう。
《喜びの種》はもちろん、マリョク配置権をもつ《石田三成》なども活用して、《サンダーボルト》から即応イジンや《チャンピオン》で勝利を狙うのは、これからの赤のデッキの1つの戦略となり得るのではないでしょうか。


というわけで、現在のイジンデンで遭遇しがちなカードや状況と、主に赤カードを使用する場合のそれらへの対策を検討してきました。
次回は、それらを考慮した新しいデッキを考えていきたいと思います。

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