E 4人で小学校へ
辿り着いた場所は母校、彼らが当時通っていた小学校だ。放課後、玲兄も交じって遊んでいた場所があり、そこに行けば何かわかると感じていた。
そうま「あー、体育館裏の木。ここでよく遊んだな!!」
以前は木の上に丸太を組み立ててツリーハウスを模した秘密基地があったが、この3年間で解体されていた。よく付近を掘り返しては宝物を隠していた記憶が蘇る。
さすけ「……お前ら、何やってるんだ?」
ねね「えー?」
しのぶ「なんでここに……展望台にいたんじゃ?」
さすけ「展望台からここに向かうお前たちが見えたんだ」
再会を喜び、驚き、気まずそうな空気が流れる。
たつひこ「ほら、倉庫からスコップ持ってきた……って、さすけ?」
そうま「とりあえず、掘り起こすの手伝ってくれよ、さすけ!」
さすけ「ああ。よく状況は分からないけど……」
男子が交代しながら木の付近を掘り返す。数か所の穴を作った結果、缶で出来た箱が出てきた。中に置かれた便箋を取り、リーダー気質の《そうま》が読み上げる。
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よくここまでたどり着いたな、褒めてやる。
一人、裏切者がいると思うが、そいつは許してやってくれ。
そうま。お前は人一倍元気でうるさい奴だった。大人になるとそういった発言や行動が取り辛くなる。そのままでいていいぞ、お前らしくいつでも動き回ってろ!
さすけ。お前は何でもかんでもできる反面、自分の中で考えをまとめてしまう癖がある。仲間たちはお前のことをちゃんと知ってる。気になったら相談してみろよ。
ねね。人生にはいくつもの岐路がある。もしかしたら今がその一つかもしれない。だがな、間違いを選んでしまってもいいんだよ、人間何度でもやり直せるからな。
しのぶ。物静かだけど、内に秘めている野心もあるよな。ただな、それを外に出さないともったいないぞ。殻を破れば、新しい世界が見えるかもしれねーよ。
たつひこ。最後まで俺の遊びに付き合ってくれてありがとうな。お前と一緒に考えたことが、お前らをまた引き合わせていたんだったら、俺も嬉しいよ。本当にありがとう。
さて。みんなには財宝をあげるって話だったよな。
それはさ“お前らの手の中にある”ものってことさ。
ま、ちょっと先で待ってるからよ。あの世で立派に成長した姿を見せてくれよな。
玲兄こと明知玲次
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あなた達に問います。玲兄が言っている「財宝」とは何だと思いますか?
相談して答えが決まったら、進んでください。→ 次ページへ