イジンデン コラム 第21廻
カナイセイジコンセプトデザインのカード②
イジンデンユーザーの皆さんこんにちは。 第1弾の赤カード(の一部)やコンセプトのデザインに関わったカナイです。 今回は前回に続き、私がデザインに関わったカードについてご説明させていただこうと思います。
・最強の武人、上杉謙信
上杉謙信は、戦国最強の呼び名も高い武将です。某社の歴史シミュレーションでは「武力100」「統率100」など戦闘において無類の強さを誇るパラメータを与えられることもしばしば。「敵に塩を送る」などの逸話や、川中島の戦いでの一騎打ちなど有名なエピソードも多く、人気の高いキャラクターと言えるでしょう。正直、私も戦国武将で一人好きなキャラクターを選ぶなら彼を選ぶと思います。赤属性のイジンのメインテーマは「戦い」に身を置いた人物ですが、それらを組み合わせて作る「スターターデッキ」において、顔としてふさわしい存在ではないでしょうか。 さて、そんな「最強」にふさわしい能力とは何か、と考えたとき、「1枚で場を制圧できる能力があること」を条件としました。そして設定されたのが、「攻撃するたびに相手のイジンを破壊する」能力です。 本来は、「寝かせる」ことをコストとして破壊するという想定でしたが、かわりに「航海」のような条件発動としています。「寝かせることでイジン1体を破壊する」のではなく、攻撃と同時に破壊できるという事で、より強力な効果となりました。 実際、スターター同士の戦いでは、このカードに頭を押さえられて、出したそばからイジンを破壊され、なすすべなく敗北したプレイヤーも多いのではないかと思います。スターターデッキの目玉カードとして十分な活躍をしているのではないでしょうか。 現在は環境が2マリョクのオーブを軸とした超高速コンボによっているので、6コストと重く、またメリットを得るために時間がかかる《上杉謙信》は活躍しづらい状況にあるかもしれません。ただ、赤属性のメインテーマとはやや異なりますが、「コントロール」(コストは重いが強力なカードでじわじわと盤面を支配して勝つ)「ロック」(特定のカードコンボなどを利用して、相手の行動を完全に阻害して勝つ)のようなデッキでも活躍が期待できるカードかと思います。これから登場するカードとの組み合わせが楽しみですね。
・魔王、織田信長
第2弾環境となっても依然赤のトップレアの1枚として君臨し続けている、と言っても過言ではないカードです。 もちろん歴史的な功績は数知れず、その苛烈な判断や進歩的な思考からも有名な存在ではありますが…… ともかく彼は、ありとあらゆるフィクションも含めた人気が圧倒的な存在です。女性化していたり、悪役だったりとその表現はさまざまですが、およそ過去の英雄を取り扱ったコンテンツで彼の名前を見ないことはないでしょう。それぐらい、日本の多くの人々の心に影響を与えた存在であるということです。 太く短いその生きざまをカードとして表現するのは、そう難しいことではありませんでした。すぐに攻撃できる「即応」、相手を蹂躙する「ダブルプレッシャー」、4コストにしては高すぎるパワー5000、そして、それらを実現する対価である「寝ているとエンドフェイズ時に破壊される」自壊能力。まさに赤属性の破壊衝動を体現したかのようなカードに仕上がっているかと思います。 このような、コストに比して異常ともいえる強力な能力と自壊能力の組み合わせは、古くから他のトレーディングカードゲームでも実装されています。特に攻撃に重点を置いた属性に配置され、それらをどう役立てるかが競って考えられてきました。強化して即決着を狙ったり、捨て札を何度も利用したり、自壊効果をキャンセルしたり、その優れた能力値のみを参照する効果を多用したり、と、色々な方策がこのようなカードを後押ししてきました。 現在のイジンデンでは、わかりやすいコンボとして《ファイナルアタック》などがあげられます。このカードを含めた2回攻撃に耐えられるような状況はそうはありません。また、今後のカード効果によっては、彼を複数回攻撃させるようなことも可能となるかもしれません。 その希少性含め、まさに最強のカードといえるものになっていると思います。これを引き当てる幸運に恵まれた方は、ぜひその力を最大限に活かしてください!